「群舞」(左)など躍動感あふれる作品を見る来場者=鳥取県智頭町智頭、石谷家住宅
「群舞」(左)など躍動感あふれる作品を見る来場者=鳥取県智頭町智頭、石谷家住宅

 【智頭】長年、和牛振興に携わった獣医師・桑田幸人さん(78)=倉吉市在住=が干支(えと)にちなみ、牛を描いた版画作品を、鳥取県智頭町智頭の石谷家住宅に展示している。風景画と合わせ11点を並べ、躍動感あふれる作品が来場者を引きつけている。5月30日まで。

 桑田さんは県畜産試験場に30年以上勤め、和牛振興に携わった。仕事の息抜きとして独学で版画を始め、定年退職後に本格的に取り組み、動物を描きながら、人の営みを重ね合わせて表現している。

 作品「前へ」は、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故後に避難区域内で放たれた牛の様子をテレビで見て触発され、力強く復興に歩み出す被災者の姿を表した。「群舞(ぐんまい)」は、倉吉市の夏祭りで披露される「みつぼし踊り」をイメージして、複数の牛が頭を上下させながら躍動する姿を描いた。

 桑田さんは「新型コロナウイルスでいろいろと制限がある今、牛で元気をもらって勢いづいてもらえればいい」と話す。

 5月1日午後2時からは桑田さんによるギャラリートークがある。(藤井俊行)