天守を舞台に繰り広げられる舞=松江市殿町、松江城天守
天守を舞台に繰り広げられる舞=松江市殿町、松江城天守

 【松江】国宝・松江城の天守(松江市殿町)を舞台にした出雲神楽の公演が2日夜、開かれた。山王寺和野神楽社中(小田博章代表)が2演目を披露し、観客約70人は夜の天守と神楽の雰囲気を存分に味わった。

 松江水燈路(すいとうろ)開催20周年を記念し、松江観光協会が主催した。

 あんどんの光に松江城周辺が包まれる中、幕開け。山王寺和野神楽社中は岩戸開きの一助となったという「神子切目(みこきりめ)」と、出雲大社の由来を物語る「大社(おおやしろ)」を舞った。

 大社では、老人が由来を語る場面や、竜神が大国(おおくに)主命(ぬしのみこと)に「五色の竜蛇」をささげる前に鼕(どう)や笛の音色に合わせて舞う場面が観客を魅了した。

 夫婦で鑑賞した松江市黒田町の会社員、大野書人(ふみひと)さん(63)は「夜の天守の荘厳な雰囲気の中で、間近で見られるのは特別感があった。定期的に開いてほしい」と話した。

 1日は南加茂貴船神楽社中が「山神祭」と「茅の輪」を披露した。

(片山皓平)