村岡貴美男さんの作品「四季の舟」(右)を鑑賞する来場者=安来市古川町、足立美術館
村岡貴美男さんの作品「四季の舟」(右)を鑑賞する来場者=安来市古川町、足立美術館

 現代日本画の精粋を集めた再興第107回院展(日本美術院、足立美術館、山陰中央新報社、TSKさんいん中央テレビ主催)が8日、安来市古川町の足立美術館で開幕した。日本美術院同人の新作や入賞作など90点が並び、美術ファンを魅了する。30日まで。

 日本美術院による公募展で全国の主要都市などを巡回する。足立美術館への巡回は中国地方で最も早い。

 見どころの一つは同人の作品32点。村岡貴美男さんの「四季の舟」は4隻を放射状に配置した構図。舟にはそれぞれ季節の花と一緒にヤギ、鳥、鹿といった動物が横たわる。眠りなのか死なのか想像をかき立てる。井手康人さんの「海乃神」も幻想的。シーラカンスに乗った民族衣装の女性を描き、背景の青色のグラデーションが美しい。

 一般の作品で、廣〓(瀬のオオガイが刀の下に貝)貴洋さんの「昇龍」は大きなトカゲを中央に描き、ヘビやカエルといった爬虫(はちゅう)類、両生類がひしめく。トカゲの皮膚がリアルだ。近藤仁さんの「カラクリ」は藤の花がある場所で車の上に乗って写真を撮る人物をセピア調で描き、背景は銀色。色の取り合わせが面白い。

 午前9時~午後5時開館。会期中無休。入館料は大人2300円、大学生1800円、高校生千円、小中学生500円。

      (桝井映志)