自ら染め上げたストールの状態を確認する俵志保さん=島根県津和野町後田、俵種苗店
自ら染め上げたストールの状態を確認する俵志保さん=島根県津和野町後田、俵種苗店
城下町の風情が残る本町通りに店を構える俵種苗店=島根県津和野町後田
城下町の風情が残る本町通りに店を構える俵種苗店=島根県津和野町後田
自ら染め上げたストールの状態を確認する俵志保さん=島根県津和野町後田、俵種苗店
城下町の風情が残る本町通りに店を構える俵種苗店=島根県津和野町後田

 津和野藩の城下町の風情が残る本町通りで営業し、店舗が国有形文化財に指定されている俵種苗店(島根県津和野町後田)が4月中旬、新装オープンした。種の取り扱いに加え、津和野町産茶などを染料にした染め物、地域の職人と共同で手掛けた陶器や木の器の販売を新たに開始。文化財の建物を生かし、観光客らに地域の素材や伝統の技を発信する拠点として新たな一歩を踏み出した。(村上栄太郎)

 俵種苗店は明治前期に開業。主屋を兼ねた店舗は津和野の伝統的な町家のたたずまいを伝える木造2階建てで、2010年に国の有形文化財に登録された。

 一方、種苗販売の商売は厳しく、赤字が続いていた中、店主の長女、俵志保さん(43)が19年春に運営責任者となり、新しい発想で経営の立て直しに着手。昨年6月から、県の補助金を活用した店舗改装の計画とともにオリジナルの商品作りに取り組んだ。

 大学で学んだ染織技術を生かし、津和野町産の茶葉と大田市の鉄工所から調達した鉄くずを混ぜた染料で自ら染め上げたストールのほか、俵さんがデザインし、島根県西部の職人に依頼した石見焼の陶器や木の器、金属トレーなどが完成した。文化財の和の趣が引き立つよう改装した店内には20種50点が並ぶ。

 近くの古民家を改修し、貸しギャラリーやワークショップ、レンタルスペースの利用を想定した店舗別館も6月の予定でオープンする。俵さんは「本町通りには観光客が多く訪れる。町民を含めてふらっと立ち寄れる場所として認知度を高めたい」と話した。