干し柿の里として知られる松江市東出雲町上意東の畑集落を空き家や柿畑の活用により人が集う場所にしようと、米子市出身の冨士本大祐さん(47)が準備している。来春の本格スタートを目指し、現在暮らす東京都と松江の2拠点を行き来し、旅行や観光をしながら働けるワーケーションや、干し柿作りなどの体験の拠点づくりを進める。
都内で人事コンサルタントを手がける冨士本さんは、空き家となった父親の実家がある畑集落を家の片付けのため訪れるようになり、豊かな自然に触れ、住民と交流。柿生産者の高齢化、減少などの地域課題に気付き、20年以上使われていない家と敷地内の柿畑を活用し、地域の新たな魅力をつくろうと思い立った。
空き家は1887年建築の古民家で、柿畑は約千平方メートル。1年前に清掃や修繕、手入れを始めた。現在は聞きつけた同級生や、地元住民の協力もあり、毎週のように作業。9月には初めてのモニターツアーも実施。24人が柿小屋の見学や木工体験を楽しんだ。
今月末には柿の収穫や干し柿作り体験を企画。母屋を使ったワーケーションの拠点整備も進める。冨士本さんは「地域の農業や営みを体験してもらい、将来的に地域に訪れたり、関わってくれたりする人が増えてほしい」と話している。
(片山皓平)