伯州綿(右)の花から分離した酵母を使ったパンとワッフルを紹介する岩佐美穗理事長=境港市上道町、市役所
伯州綿(右)の花から分離した酵母を使ったパンとワッフルを紹介する岩佐美穗理事長=境港市上道町、市役所

 境港市がブランド化を目指す伯州綿の花から分離した酵母を使ったパンとワッフルが完成した。もちもちとした食感が特徴。「コットンブレッド」などと名付けられたふわふわの新商品が伯州綿のPRに一役買いそうだ。

 伯州綿は弾力性と保温性に優れ、江戸時代に弓浜半島で盛んに栽培された。明治以降は安価な輸入綿に押され栽培は下火になり、市が2008年から地域資源の継承に向け産地復活に取り組み、地元の業者などが伯州綿製のマスクやシャツを商品化している。

 パンは、就労継続支援B型事業所「お菓子とパンの店 えぴくる」(境港市上道町)が、鳥取大などでつくる産学官金地域連携プロジェクト「伯州綿利活用研究会」(稲賀すみれ代表)と協力して開発した。

 伯州綿酵母は、鳥取大農学部の児玉基一朗教授の研究で、独特の酵母が伯州綿の花から抽出できることが分かり、「伯州綿境港酵母SKNS―1号」と名付けられた。同酵母を使った食品販売は、研究所と山本製麺所(同市朝日町)が手がける「中華まん」に続き2例目となる。

 商品は3種類で、コットンワッフル(200円)、コットンボウル(180円)、コットンブレッド(1斤380円)。えぴくるを運営するNPO法人「穗のしるべ」の岩佐美穗理事長によると、通常使用のドライ・イーストより2時間程度長くかけて発酵させるという。

 不定期販売。問い合わせはえぴくる、電話0859(47)4030

  (松本稔史)