通常より足(腕)が1本多い11本のアオリイカが、松江市美保関町七類で釣り上げられた。鳥取県水産試験場の研究員は「報告例は確認できておらず、貴重な個体だ」と話した。
胴体の長さは19・5センチ。釣り歴1年のパート小林彩香さん(33)=米子市=が4日午前6時ごろ、惣津地区の防波堤で疑似餌を使って釣り上げた。自宅に持ち帰り一夜干しにするため、さばいたところ11本あることに気づいたという。「腕を数えたら、なんじゃこらと驚いた」と振り返った。
試験場によると、生まれながらに11本あったか、10本で生まれた後に傷を負い、再生段階で11本になった可能性が考えられるという。すべての腕は通常通り2列の吸盤が並んでいた。
現在は試験場で冷凍保存しており、今後は標本にして県立博物館(鳥取市東町2丁目)で保管する予定。
県内では2019年に腕が11本あるスルメイカが見つかっている。
(藤井俊行)