認知症カフェを開設するフリースペースで教員2人と話し合う内田美羽さん(中央)=出雲市平田町
認知症カフェを開設するフリースペースで教員2人と話し合う内田美羽さん(中央)=出雲市平田町

 島根県立大出雲キャンパス(出雲市西林木町)の学生有志が、16日から出雲市平田町に認知症カフェを開く。高齢化が進む平田地区(平田町、西平田町)では初開設で、メンバーはゲームや触れ合いを通じ、当事者や家族たちの交流の場となることを願う。 (松本直也)

 県立大によると、大学が地域で認知症カフェを開くのは全国でも珍しい。一畑電車雲州平田駅に近いフリースペースを借り、原則第3水曜日の月1回開く。

 学生は2、3年生9人(健康栄養学科2人、看護学科7人)で、毎回3~5人が来客と認知症予防のゲームを通じて交流。ともに看護学科教員で、認知症認定看護師資格を持つ荒木さおり助教(認知症看護)か、加藤さゆり講師(終末期)が詰め、家族らの相談に応じる。

 平田地区の10月末時点の人口は6561人で、高齢化率は市平均(30・0%)を超える34・2%と高い。認知症患者も一定数いるとみられるが、出雲市内では既に8カ所ある認知症カフェが地区内にない。

 出雲キャンパス内にカフェを持つ県立大は4月に平田地区での開設に向けたプロジェクトを開始。参加学生が認知症サポーター養成講座を受け、カフェの運用方法も学んだ。

 将来的に医療・介護現場で働く際の糧になればいいと参加した、健康栄養学科3年の内田美羽さん(20)は「認知症の人や家族がひと息つけて、新しい発見や仲間が生まれる場にしたい」と願った。

 16日は午前10~11時半、無料。定員はスタッフを含め30人で予約は不要。現段階で2023年3月まで運用する。