最近はあまり見かけないが、1990年代は洋楽のシングルCDを売っていた。97年7月に英国のロックバンド・オアシスが発表した「ドゥ・ユー・ノウ・ワット・アイ・ミーン?」はバンドへの期待感が最高潮の中でリリースされた。
当時、日本盤を探したが名古屋・栄の地下街にあった3軒のCDショップは売り切れ。矢場町のパルコまで歩き、タワーレコードで輸入盤を買った。セカンドアルバム「モーニング・グローリー」が大ヒットし、英ネブワースでの野外コンサートは2日間で25万人を動員。サードアルバム「ビィ・ヒア・ナウ」の先行シングルだった同曲をファンは待ち望んでいた。

ジャケットには雑踏で何かを見上げる群衆の中、正面を向くメンバーの姿が。裏面には窓から身を乗り出した男が「なぜ俺の話を聞かない」とメンバーを指さして怒鳴っている。曲名の訳は「俺が言ってる意味が分かるかい」。自信に満ちた7分を超す大曲だった。

結果的に「ビィ・ヒア・ナウ」はセールスが振るわず失敗作とされた。その後はノエル・ギャラガー以外も曲を書くようになり、ボックス型のバンドロゴも変わった。以降もバンドはトップであり続けたが、それでもノエルが独裁体制で練り上げた3枚目までが、神がかったオアシスだという気がしてならない。(銭)
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