工芸部門で知事賞に選ばれた作品を解説する野﨑千愛季さん(右)=松江市袖師町、島根県立美術館
工芸部門で知事賞に選ばれた作品を解説する野﨑千愛季さん(右)=松江市袖師町、島根県立美術館

 島根県在住の芸術家らの作品を集めた第55回県総合美術展(県展)中央展が、松江市袖師町の県立美術館で開かれている。日本画、書、洋画、工芸、写真、デザイン、彫刻の7部門629点が展示され、多彩な作品が来場者を楽しませている。27日まで。入場無料。 (小引久実)

 県文化団体連合会と県が主催。文化芸術の振興を目的とした県民参加の美術展で入賞48点、入選426点、招待作品155点を並べた。最高賞の知事賞は彫刻以外の6部門で各1点が選ばれ工芸、デザインの両部門は高校生が受賞した。

 工芸の知事賞は、全国の高校生が出品する「美術工芸甲子園」でも大賞に選ばれた宍道高校通信制3年の野﨑千愛季さん(17)。座り込んで水分補給をする労働者の人形作品「幸せ」を制作した。

 野﨑さんは桜の花びらを人形の衣服に散らし、小さな幸福を表現したといい「苦しい時もあるが目を凝らせば日常に幸せがあることを伝えたい」と話した。

 デザインの知事賞に輝いた、出雲北陵高校3年の山根麻由美さん(18)の作品「Luna(ルナ)」は、コンピューターグラフィックスで水面に映った夜の街を表現した。ビルの間からのぞく月と暗闇のコントラストなど、全体のバランスの良さが評価された。

 22日の火曜日は休館。