夏に島根県隠岐の島町の西郷港で「メーター級の大物が釣れた」と、太公望の間でうわさになったヒラメが魚拓として帰ってきた。県水産練習船・神海丸(699トン)の乗組員が停泊中に釣り上げ、約80人分の刺し身とあら汁用の魚肉が取れたという。
西郷港フェリーターミナル近くの浮桟橋(メガフロート)で7月13日未明、司厨長の須崎陽次さん(46)が釣り上げた。仕事を終え甲板上から生きたアジを針にかける泳がせ釣りをしていると当たりがあり「上がらん、上がらん」という強烈な引き。仲間が気付き助っ人に加わった。
魚体が見え、たもですくおうにも大きすぎて枠に収まらず、甲板に備え付けてあるマグロを水揚げする際の金具で引きずり上げた。
計量すると体長99センチ重さ10・27キロ。2008年3月に西ノ島町の浦郷漁協前岸壁で釣れた体長103センチ重さ14・5キロには及ばないが、船の往来の活発な身近な海に潜んでいた、予想以上の大物が話題となった。
ヒラメは魚拓用の写真撮影を終えると船内の冷蔵庫に保存。航海中に乗組員と航海を専攻する学生に振る舞われた。魚拓は畳1畳分に迫る大きさで、邉(ほとり)正和船長(46)はヒラメは大味ではなく、うまかったと振り返りつつ「魚拓が釣り好きな学生へのいいPRになる」と喜んだ。
(鎌田剛)