日本代表への思いを語る三原純さん=松江市末次町、市役所
日本代表への思いを語る三原純さん=松江市末次町、市役所

 サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で正念場を迎える日本代表に、松江からひときわ熱いエールを送る松江市職員がいる。国際サッカー連盟(FIFA)の国際審判員(副審)としてJリーグや国際大会をジャッジする市スポーツ課の三原純さん(41)。選手とは国内外の試合を通じて関わりがあり、運命のスペイン戦(12月2日)に向け「勝ってくれるはず」と信じている。

 三原さんは本格的な競技経験はなく、1998年W杯フランス大会を機に競技を好きになり、草サッカーを楽しむ中で審判員に興味を持った。2003年に市町村レベルの大会を担う日本サッカー協会の4級資格を取得。現在は日本協会の1級資格を持ち、FIFAの国際審判員も務める。

 J1リーグを中心に、W杯アジア最終予選(日本と別グループ)といった国際大会も担当。昨年はW杯カタール大会と同じスタジアムで開かれたFIFAアラブカップでもタッチライン付近を駆ける副審と、ビデオ審判の一員を担い、今大会で注目を集めるオフサイド判定の人工知能(AI)システムも経験した。

 日本代表選手は、海外組が国内でプレーしていた頃を含め、試合を間近でジャッジしてきた三原さん。W杯で日本代表は23日のドイツ戦で劇的逆転勝利を収めたものの、27日のコスタリカ戦では格下相手に一つの守備ミスが命取りになって敗戦し「W杯は何が起こるか分からない」と実感したという。

 公平公正の審判員の立場上、普段は特定の試合やチームを応援できないが、W杯は関係なく「日本代表を応援する気持ちは大きい」と笑う。決勝トーナメント進出をかけた決戦の相手は優勝候補の一つに挙げられる強敵だが「持っている力を出し切って悔いのないプレーで、勝ちをつかみ取ってほしい」と選手たちの活躍を願っている。

 (片山大輔)