生産拡大するトリゴネコーヒー茶(提供)
生産拡大するトリゴネコーヒー茶(提供)

 コーヒーを製造、卸販売する(株)井珈琲(境港市竹内団地、澤井幹雄社長)が、自社栽培するコーヒーの葉を焙煎した「トリゴネコーヒー茶」の生産規模を拡大する。コーヒーの木が成長し、葉の採取量が増えたためで、年間販売量を約3割増やす。

 同社では2017年から本社近くにビニールハウス4棟を設置し、アラビカ種の苗木約2万本を無農薬で育てる。通常は熱帯や亜熱帯の温暖な地域で栽培され寒さに弱いため、温度管理を徹底する。

 主力のコーヒーに加え、コーヒーが苦手な人にも飲んでもらえる商品を作ろうと、コーヒーの葉を使った茶を製造。コーヒー茶には脳神経を活性化させる「トリゴネリン」を含むことが判明しており、22年8月にはカフェイン含有量を減らしトリゴネリンを多く含む独自の製造方法で特許を取得した。

  コーヒーの木は通常、葉を摘み取ると成長が遅くなるため、生産量を抑えてきたが、木が大きくなるに従って葉も取れるようになった。これまでの年間販売量は1箱15グラム入り(税込み1560円)で7500箱ほどだったが、1万箱に引き上げた。トリゴネリンが含まれたコーヒーと茶など同社のウェルネス系商品の年間売り上げ目標は約3億円。

 23年秋には、本社近くに新しい製造ラインや見学施設、店舗をオープンする予定で、同社の広報担当者は「コーヒーが本来持つ健康成分を十分に引き出した商品を製造販売する」と話した。