関西や中部、九州など6地域の経済連合会でつくる西日本経済協議会の総会が松江市内であり、物価高対策やエネルギーの安定確保など13項目を盛り込んだ決議を採択した。各連合会の代表は、アフターコロナを見据えた観光需要の取り込みなど、経済の正常化に向けた活動の重要性を強調。強靱な企業体制構築と地方創生実現へ各連合会で連携する方針で一致し、決議を政府に提出した。
各連合会の代表発表で、中国経済連合会(中経連)の田部長右衛門副会長(島根県商工会議所連合会会頭)は、近年の原材料費高騰が地方の企業活動に大きな影響を及ぼしているとし、資源の安定供給に向けたサプライチェーン(供給網)の再構築を政府に要望。中国地方では山陰と山陽をまたぐサイクルツーリズムなど、インバウンド需要に対応するコンテンツ造成や情報発信に取り組んでいるとし、「地方創生の推進には経済協議会同士の連携や情報共有が必要だ」と述べた。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、既存原子力発電の早期再稼働や運転期間延長認可制度の見直し、次世代原子炉の技術開発の推進も求めた。
総会後の記者会見で中経連の清水希茂会長(中国電力(株)会長)は、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰する状況下を踏まえ、「エネルギーの安定供給やカーボンニュートラル実現のためにも、地域の理解を得ながら原発運営の政府支援を働きかけたい」と話した。
決議ではこのほか、外国人材の雇用環境整備や、デジタル技術を活用した事業変革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進による成長産業創出、国土強靱化に向けたインフラ整備などを盛り込んだ。
総会は各経済連合会の会員180人が参加した。