松江市出身のピアノトリオバンド「Omoinotake(オモイノタケ)」は、繊細で伸びやかな高音による歌声と美しい言葉で紡ぐ歌詞、グルーブ感のあるサウンドが合わさって聴く人の心を揺さぶる。ボーカル・キーボード藤井怜央さん(30)、ベース福島智朗さん(30)、ドラム冨田洋之進さん(30)は松江で豊かな音楽性を育んだ。松江などを回るワンマンツアーを開いた2022年の結成10周年を経て、23年は新たな一歩を踏み出す。メンバーが新年の決意や、地元への思いを語った。(情報部・吉田真人)

 


 ーメジャーデビューから1年。手応えや変化はあったか

 藤井 今までの音楽活動と違う面がたくさんあった。メジャーシーンでやり続けることや、自分自身の生き方を探った一年だった。関わる人が圧倒的に増えたことで、自分たちの思いだけで突っ走りづらくはなっているけど、だからこそ内容が洗練されていくと思う。一方で、周りの人に流されちゃだめだと感じることも多かったので、貴重な一年だった。

藤井怜央さん


 ーワンマンツアー(2022年11~12月)は、地元・松江からスタート。どのような思いで臨んだ

 福島 思い出のある松江B1というライブハウス。お客さんの表情を見ても、松江からの始まりを喜んでいることが分かった。セットリストの意図も伝わったと思うので、すごくうれしかった。

福島智朗さん


 藤井 初日はどういう反応がもらえるのか全く分からない状態で、不安と期待がある。松江B1でしっかり手応えを感じたことがすごくうれしかった。このツアーを、自信を持って届けられそうだなと、松江の皆さんに思わせてもらえた。

 冨田 松江B1で初日をできたので、すごく安心感があった。お客さんとこんなに近いことって最近なかなかない。ファンの顔が間近に見られて、一曲一曲の反応を近くで感じられた。すごくアットホームだった。

冨田洋之進さん

  ーオモイノタケにとってライブとは

 藤井 ライブは音楽活動で一番単純に楽しいし、欠かせない。(新型コロナウイルス禍で)無観客配信が主流だった時期を思うと、...