短歌 宮里勝子選

薄れゆく白衣袴の君なれど棒げし誠社に残れり          松 江 井上 由美

 【評】白衣に袴とあれば神官であられた方を尊敬し詠まれていると受け取ります。年月と共に面影はおぼろとなっていくのに、その真面目でひたむきだった生き方は今も鮮明によみがえり、境内のあちこちに見いだすことができる。

懸命に遊ぶひ孫は二歳半細きうなじを汗で濡らして       隠岐の島 村上 篤子

 【評】対象をしっかりと見ている。調べもよく、頭だけで作っていない強みを感じる。幼児は新...