体をぶつけ合いながら餅をつく男衆=雲南市吉田町吉田、田部家
体をぶつけ合いながら餅をつく男衆=雲南市吉田町吉田、田部家

 江戸時代に松江藩の鉄師を務めた田部家に370年以上にわたって伝わる餅つきが28日、雲南市吉田町吉田の同家であった。臼を囲んだ男衆が体をぶつけ合いながら、長い棒状のきねを使って餅をついた。

 

 粟原たたらを創業した1646年から毎年12月28日に実施し、餅を返す手水を使わないのが特徴。たたら製鉄は水の浸入による炉の水蒸気爆発が恐れられ「水を嫌う」ことにちなむという。

 田部グループの社員など約70人が集まり、法被姿の男衆十数人が、地元産のもち米5升を入れた臼(幅70センチ、高さ60センチ)を囲んだ。田部家に伝わる餅つき唄が響く中「よいさー」「ほいさー」などのかけ声に合わせ、サルスベリで作られた約2メートルのきねを上下に動かしてこね回した。1回に15分かかり、メンバーを入れ替えながら計12回で6斗をついた。

 田部家第25代当主・田部長右衛門さん(43)の長男智康君(13)は「歴史を感じながら餅をついた。伝統を絶えさせないように頑張っていきたい」と話した。
  (山本泰平)