昨年の後半は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題が世間をにぎわした。「まともな宗教」と「まともでない宗教」の線引きなどというやっかいな問題も提起されたが、それよりも、そもそも宗教とは何か、とりわけ日本人にとって信仰とは何か、というこれまた大問題がその背後にはある。

 戦後日本では、戦前の国家神道への反動もあって、宗教のみならず、日本人の伝統的...