浜田市の乗馬施設で、人が馬と触れ合い心を育むホースセラピーを担う菅野宏美さん(30)=川崎市出身=が「社会福祉ヒーローズ」賞を受賞した。福祉で活躍する全国の若手職員を表彰する賞で、施設利用する障害児者の気持ちに寄り添いセラピーに真摯(しんし)に取り組む姿勢が評価された。 (宮廻裕樹)
菅野さんは浜田市金城町久佐のかなぎウエスタンライディングパークで勤務する。もともと動物と関わる職業を望み、東京農業大農学部でホースセラピーを学んだ。学内の馬場を訪れる発達障害のある子どもたちが、餌やりや乗馬で目を輝かせ「人同士だと難しいけど、馬が間に入ると一気に変わる」と魅力を知った。
4年の時、所属する研究室の教員から紹介されたライディングパークで最終的に働くようになり、セラピーを担当する。1日平均10人の障害がある児童生徒に2時間にわたり対応する。馬を怖がる子どももおり、最初は苦労した。
ある児童は見学の日々が続いたが、菅野さんがおんぶして馬の背中をイメージしてもらうと気持ちが和らいだ。やがて1人で乗馬する姿を見た時、やりがいを実感。「馬は信頼できる人に近づく。認められることで子どもたちの自信になる」と菅野さん。受賞をきっかけにさらにセラピーを普及させたい考えだ。
ヒーローズ賞は、全国社会福祉法人経営者協議会主催で2018年から表彰。今回、20~30代の介護や保育、障害者支援などに携わる職員を対象に全国から68人の応募があった。活動内容を伝える書類や面接審査を経て、受賞の6人が決まった。菅野さんの受賞は島根県内で初めて。













