松江市八雲町西岩坂秋吉地区に伝わる大餅神事「七日塔(なのかとう)」が12日、地元の田村神社であった。大きな餅に雪玉をぶつけるという独特な祭りで、氏子らが伝統行事を守り、無病息災と豊作を祈った。祭りの様子を写真で紹介する。

大餅を背負う子どもと雪玉を投げようとする参加者


 田村神社は出雲国風土記に「田村社」として記載される。「七日塔」は記録が残る1875年から続く伝統行事。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに、規模を縮小して行った。
 

割り箸を稲の苗に見立てて植え、豊作を祈る「田植えの神事」=八雲町西岩坂秋吉、田村神社
大餅を神前に供える当番「塔屋」を引き継ぐ集落の代表者(左)=八雲町西岩坂秋吉、田村神社

 祭りでは槍、弓、田植えの神事と続き、当番の「塔屋」の引き継ぎをする。新しい塔屋に大餅を引き継ぎ、来年の塔屋を担う集落を代表し、石倉茉桜(まお)ちゃん(5)が長さ50センチ、幅40センチの大餅を背負って境内を駆け抜けた。集まった氏子は大人も子どもも餅を目がけて雪玉を投げつけた。

大餅を背負う子ども=八雲町西岩坂秋吉、田村神社
神前から大餅を下ろす準備をする住民ら=八雲町西岩坂秋吉、田村神社
大餅を背負い、追いかけられながら境内を進む子ども=八雲町西岩坂秋吉、田村神社
すごい勢いで境内を駆け抜ける、大餅を背負った子ども=松江市八雲町西岩坂、田村神社
大餅に雪玉をぶつけようと待ち構える子どもたち=八雲町西岩坂秋吉、田村神社

 豊作を願う大餅の祭りは各地区に残り、春を前に地域に楽しみと明るさをもたらす。