吉田千寿子(86)は、滑らかな手つきでティッシュを着物の襟元の形に折り畳んでいく。「肌さ沿うように、端をキュッと」。東日本大震災後に移り住んだ岩手県陸前高田市小友町の自宅の居間。修業時代、師匠の着付けをまねて繰り返した手技が、視力を失った今も身に染みている。
幼かった日、陸前高田市広田町の実家近くで偶然見かけた花嫁の姿に魅了された。真っ黒の留め袖、色鮮やかな帯。「質素だけど、華やかで」。中学卒業後、美容師に弟子入りし、住み込み...
吉田千寿子(86)は、滑らかな手つきでティッシュを着物の襟元の形に折り畳んでいく。「肌さ沿うように、端をキュッと」。東日本大震災後に移り住んだ岩手県陸前高田市小友町の自宅の居間。修業時代、師匠の着付けをまねて繰り返した手技が、視力を失った今も身に染みている。
幼かった日、陸前高田市広田町の実家近くで偶然見かけた花嫁の姿に魅了された。真っ黒の留め袖、色鮮やかな帯。「質素だけど、華やかで」。中学卒業後、美容師に弟子入りし、住み込み...
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