風力発電の最大の敵である落雷の被害を低減する技術を、松江工業高等専門学校の箕田充志教授(電力工学)が開発した。風車の羽の先端に炭素繊維の素材を貼ることで羽に落ちた雷のエネルギーを地面に逃がし、破損を防ぐという仕組み。後付けでき大規模な改修工事がいらないのが特徴で、今後、実用化に向けてメーカーや保守・点検企業と協力関係を築く。
国内で設置されている風車の多くは欧州メーカー製で、落雷対策は、羽先にある雷を直接受け止めるための金属製の「レセプタ」から風車内部の電線を通じて地面に雷を逃す機構が備わっている。ところが日本海側の冬の雷は時に、欧州や太平洋側の雷の100倍ものエネルギーを放つことがあるとされ、既存の直径数センチ大のレセプタを外れて落雷し、羽に穴が空いたり、裂けたりする被害が長年続いてきた。
一方、...












