島根県警は2日、複数の女性職員に対しセクハラに該当する発言があったとして、松江署長(57)=警視正=を本部長訓戒の監督上の措置にした。事案の軽重を勘案し、より厳しい懲戒処分にはしなかった。
松江署長セクハラ 身内に甘い組織露呈 指針と異なり懲戒とせず
県警によると、警視正が監督上の措置を受けるのは初めてとみられる。この日の発表では、プライバシーの保護や処分内容が公表基準に当たらないとして、署長の氏名を明らかにしなかった。
県警監察課によると、署長は2022年4月から23年2月初旬までの間、県内の警察署などで執務中に複数の女性職員に対し、容姿や体形、プライバシーに関する不適切な発言を繰り返した。「嫌な思いをした職員に大変申し訳なく思っている」と話しているものの、進退について本人は考えを明らかにしていないという。
同課は23年2月に事案を把握した。報告を怠ったとして40代男性警視を本部長注意としたという。
2日は松江市殿町の県警本部で報道陣に対して、県警の松本好尚首席監察官らが経緯を説明。石川博昭警務部長は「県民の信頼を損ねたことにおわび申し上げます」とコメントした。
鍜冶署長は大田署長や警備部参事官などを歴任。警務部参事官を経て、22年に国家公務員である警視正に昇任し現職に就いた。
鍜冶署長を巡っては、2月24日付の本紙の報道でセクハラ疑惑が明らかとなり、28日の県議会総務委員会で県警は内部調査していることを認めた。県警では22年度に免職を含め3件の懲戒処分が明らかになっており、不祥事が相次いでいる。(古瀬弘治、小引久実)