大型土のうに土を詰める作業を急ピッチで進める工事関係者=江津市桜江町川越
大型土のうに土を詰める作業を急ピッチで進める工事関係者=江津市桜江町川越

 観測史上2番目に早い梅雨入りとなり、2018、20年夏の豪雨で氾濫した江の川流域の住民や行政関係者が警戒を強めている。堤防がない地域での住宅浸水防止策や、改定された避難情報の住民周知など、万が一の備えを急ぐ。 (福新大雄、佐伯学)

 中国地方は平年より22日早い15日に梅雨入り。江の川流域は17日にかけ雨が断続的に降り、江津市桜江町や島根県川本町では累積降水量が60ミリを超えた。江の川は平常水位を保ったものの、関係者は緊張しながら見守った。

 同県美郷町港地区の屋野忠弘さん(78)は「被害が出ないのを祈るしかない」と心細げに語った。地区は18、20年とも浸水し5世帯が集団移転を検討中。移転先が決まらぬまま、異常とも言える早い梅雨を迎え、不安が強い。自宅には、20年豪雨時に住民救助で活躍したボートがいつでも使える状態にしてある。「使わずに済むのを願うばかりだ」と空を見やった。

 20年豪雨で流域最大の59棟が浸水した江津市は、消防団との連絡体制や避難所の備蓄品の確認を進めてきた。佐々木章夫危機管理監は早い梅雨入りに戸惑いつつ「避難所の受け入れ準備などを早めたい」と気を引き締めた。

 4月下旬、改正災害対策基本法が成立。自治体が発令してきた「避難勧告」はなくなり今月20日から「避難指示」に一本化される。避難情報を分かりやすくとの法改正は、住民に周知されてこそ効果を発揮する。

 江津市は月内にチラシを全戸に配り、ホームページや防災無線も活用する。佐々木危機管理監は「早く浸透させたい」と強調した。

 本流の増水で支流の水がせき止められ、あふれる「バックウオーター現象」が起きた同市桜江町川越地区では堤防建設に向け、用地買収が進む。梅雨入りを受け、国土交通省浜田河川国道事務所が、水の流入を防ぐ1メートル四方の大型土のうの準備を急いだ。

 6月中旬までに190個を作る予定について、大元誠治副所長は「できるだけ前倒しする」と説明。本流の流量を増やす掘削工事も降雨状況を見ながら、極力急ぐとした。