国立公園・三瓶山西の原(大田市三瓶町)で20日、春の風物詩「火入れ」があり、山を背にした炎の舞に多くの見物客が見入った。
1988年にあった大規模火災を機に始まり、火災防止や草原の維持、観光振興などを目的に市や環境保全団体、森林組合などでつくる実行委員会が毎年企画。35回目の今回は140人が参加した。
一気に燃え広がらないよう風下から順にバーナーでススキなどの枯れ草に火を付けると、「バチバチッ」と大きな音が響き、春風を受けて帯状の炎となって高原を覆った。
火入れをすると草が芽吹きやすい環境が整い、一帯は4月下旬ごろ、緑が広がるという。
出雲市に帰省中の医師、寺田智代子さん(30)=奈良県橿原市=は「雄大で勢いがあった。近くで見られて、音もすごかった」と話した。
(曽田元気)