職人が熟練の技を駆使して和菓子を作る様子を間近で見学してもらおうと、松江市寺町の老舗和菓子店「風流堂寺町本店」が実演工房をオープンさせた。技術と感性が詰まった手仕事の面白さを通じて、観光客らに全国有数の「菓子処・松江」の魅力を伝える。 (片山皓平)
松江市が進める、伝統文化に触れ、工芸体験を楽しめる「職人商店街」構想の一環で、市内では2店目の実演工房の開設。市の補助金を活用して通用口を改装し、広さ40平方メートルの作業スペースと、来店者の見学用に大きな窓を設けた。
風流堂によると、職人による技の披露や、気軽に立ち寄ってもらいやすい店内空間をつくるため、前々から実演工房開設を計画していたところ、市の構想とかみ合い改装に踏み切った。
開設に合わせて、大福餅やアイスもなかなど、実演工房で作る新メニューも考案。もともと和菓子は別の場所にある工場で製造し、店で販売していたが、出来たてを提供できるようになった。工房の営業は、水曜日、木曜日以外の午前10時~午後4時。
14日に実演工房のお披露目会があり、内藤葉子社長は「出来たての和菓子で魅力を発信し、松江を盛り上げていきたい」と話した。
県外在住で松江市比津が丘の実家に帰省中の会社員、湯町果歩さん(28)は母親と早速訪れ、「職人が作る様子を間近で見られるのはとてもいい」と笑顔だった。