短歌

 ◇松江情脈短歌会(松江市)

「鬼はそと」豆まく夫の声聞きて今年も野菜作れるようだ 野津イマ子

ベタ踏み坂越えれば境港市の祖父母の眠る外江町なり 三代由紀子

突然に廃業宣らす医師なりて高齢者のわれ戸惑うばかり 平田さかえ

凍つる真夜父は静かに身罷りぬあれから今日で二十年過ぐ 大野 明美

歌詠みの貴司くんより「一瞬が永遠になる」と教えられたり 松本久美子

友に逢い行く道塞ぎ佇みてお喋り尽きず夕暮れ迫る 田中智恵子

吾子を背に母と選び...