山陰発で、全国的な人気を誇るロックバンド「Official髭男dism(ヒゲダン)」。メジャーデビュー後、飛ぶ鳥を落とす勢いでヒット曲を連発し、幅広い世代に支持を広げていっている。彼らの活躍を影で支えるのがサポートメンバーの存在だ。ライブ規模が大きくなった現在はメンバー4人に8人のサポートメンバーがツアーに同行し、一つの楽曲を奏でている。その一人がキーボード・トランペット担当で島根大出身の善岡慧一さん(34)だ。最近はピアニストとしてソロライブにも力を入れ始め、活動の幅を広げている。ヒゲダンを支えながら、自らの音楽も磨く「二刀流」の音楽ライフに迫った。(Sデジ編集部・鹿島波子)
善岡さんは山口県出身で、5歳でピアノを始めた。クラシックを11歳まで習い、ポップスは独学で勉強。音大への憧れがあったが、家庭の事情で国立大に進学することを決めた。その際、高校の先生に勧められたのが島根大学教育学部の音楽専攻だった。実技試験を受けに大学を訪れた高校3年の2月、声を掛けてきたのが、同じく音楽専攻を受験し、現在はヒゲダンのベース・サックスを担当する楢﨑誠さんだった。気さくな楢﨑さんから「メアド交換しようよ」と言われ、すぐ連絡先を交換したという。結局連絡を取ることはなかったが、お互い合格し、入学初日に「あ!」と再会を果たした。

音楽専攻で住む場所は固まっており、アパートも隣近所。最初は楢﨑さんの家でご飯を食べることもあった。しかし、...