第二章 道を行け(二)

 おかげで寅蔵は堂々と無為徒食を決め込み、叔父の書物棚に十(じっ)辺(ぺん)舎(しゃ)一(いっ)九(く)の『東海道中膝栗毛』を見つけてからは縁側に寝転んで読み...