河野洋平氏は自民党総裁に就きながら首相になれなかった悲運の政治家である。1993年夏の就任直後、野党に転落したからだ。この後、小選挙区制を軸とした選挙制度改革の波にのまれる。自民の分裂回避を優先せざるを得なかった自責の念を明かした。 

 政治の現状を見ると、あの選挙制度の改革は失敗だったと思います。現在の社会は多様な意見が尊重される社会になっているにもかかわらず、政界はその逆です。社会と政治に溝があり、国民の政治離れに拍車をかける結果になっています。

 この失...