多用途支援艦「ひうち」のクレーンで回収される魚雷のような物体=島根県隠岐の島町大久、大久漁港沖
多用途支援艦「ひうち」のクレーンで回収される魚雷のような物体=島根県隠岐の島町大久、大久漁港沖

 島根県隠岐の島町大久の大久漁港近くの海底で見つかった魚雷のような物体について海上自衛隊が1日、舞鶴地方隊(京都府舞鶴市)の多用途支援艦「ひうち」の甲板に回収した。海自によると、爆発の危険性はなく、今後処分する。





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 撤去作業は午前8時に始まり、町対策本部が発見現場から半径500メートルを立ち入り禁止、同3キロを入水制限区域とした。水中処分隊員が在日米軍の支援を受けながらゴムボート3隻で現場に向かった。隊員らが物体に浮袋を結びつけ、沖に停泊する同艦まで少しずつ移動させた。正午過ぎに物体を同艦左舷付近に横付けし、慎重にワイヤを結んでクレーンでつり上げ、後部甲板へ回収。甲板上にテントを設営して調査した。

 海自からの連絡を受け、午後4時15分、漁港内に設営された町対策本部が安全宣言を出した。

 物体は長さ約7・9メートル、直径約0・5メートルの円筒形。現場指揮官の舞鶴警備隊司令大宅学1等海佐は「現段階で魚雷らしき物としか分からない。舞鶴地方隊に移送して調査する」とし、大久地区の金井宗次区長(77)は「きょうサザエ漁が解禁になり影響が心配だったが、作業が1週間前倒しになり、回収できて良かった」と話した。
(鎌田剛)