子育ての悩みを一緒に考える「聞かせて! あなたの子育て」。今回のテーマは「思春期の子どもとの接し方」です。家族で取り組んだ経験談やアドバイスが寄せられました。紙面では紹介しきれなかった投稿を含め、コメント全文を掲載します。(内容は一部編集・要約しています)
1、わが家は夕食の時間だけはテレビを見ずに会話をしながら取っていました。それが基本で、思春期の子どもたちから要望や悩みの話をし出したら耳を傾けて、夫と一緒に対応していました。事によっては私が本気で怒鳴ったり、叱ったりもありましたが、その後、夫がフォローしてくれていました。自立して社会人になった今も子どもたちは、失敗や悩みを隠さずに話をしてくれます。心配をかけまいと黙っているより、話してくれて一緒に悩み、解決策を考えさせてくれる方が、親として安心です。思春期って何歳から何歳までなのかは分かりませんが、中学生の時に異性とお付き合いをしている時に、子どもの方からお相手をわが家に招待して私たち親に紹介してくれました。食事を一緒に取ってお話をしたりして、わが子に相手の方を大切にするように伝え、見守っていました。思春期というか、反抗期になるかもしれませんが、息子が高校生の時、私の言葉に怒り戸棚にパンチした跡です。直したり隠したりせずに芸術作品と、とらえて息子に「日付、サインしておいて」と頼んだものです。手が痛かったと思います。それから物にあたること皆無でした。(かわらなでしこ、60代)
2、自分の思春期は、家庭内で性や恋人に関する話をすることはタブーの雰囲気があり、苦しかったです。性やパートナーに関する話は大事なことなので、わが子の時には、家族で話ができるような環境をつくってあげたいです。(ファーストサマースイカ、30代)
3、これから、思春期を迎えようとする小3です。今のところ、学校のことは自分からよく話してくれますが、だんだんと話さなくなるのかな、と思っています。友だちとも、うまくいかない面もでてきているようです。「将来は、〇〇さん(友達)と一緒に働くんだ」と言うので、「お母さんは、もういらないね」と言うと「お母さんもおってもいいよ」と言ってくれます。手を離れていくのはさみしいような、でも一人っ子なので友だちといてくれた方がうれしいです。必要なときに灯台のようにパッと照らしてあげられる、それでよいかなと思います。(水風船、40代)
4、娘はわりと楽でしたが、息子はつらかったです。思春期は他人だと思って接するのがいいと聞いてましたがこんなに腹立つ他人はいないです。高校生になると少し落ち着き、まあこれが最後の甘えなんだろうとできるだけ口を出さないようにしました。甘えが足りないとうまく自立できないそうなので…。専門学校で寮生活をしたのがよかったのか、無事社会人の仲間入り。真剣に向かい合ったのがよかったかな?
5、わが娘は思春期まっただ中の中学女子であります。攻略法は「自分の気持ちを伝える」こと。「一人の人」として向き合うこと。娘は小学高学年になるに従って、ひとり時間を楽しむようになりました。そして、親の思い通りにはなりませんよね…。あれして、これしてのお願いも、ああした方がいいじゃない?と意見しても、子どもには大きなお世話くらいなことで。その頃から、私からは意見することをやめて、遠巻きに見守る程度で。そのうち、何かしら問題あれば聞いてきたり、生理前にでもなればイライラしたり、女子同士の話でわかり合えたり。何歳になっても子どもは子どもです。が、その前に一人の「人」として性格も思考も違います。ある程度、自分でやってみたいことはさせてみる。親は見守る程度に。ただ、わが家の子どもの頃からのルールはうそをつかない、約束を守る、友達を大切に、間違っていることは理由を伝える。最近は自分の気持ちを相手に伝える。怒ったときの理由は何か? このイライラは何から?と相手の気持ちを考える。でもこれは私たち大人社会でも同じとも思います。良くも悪くも経験や知恵、羞恥心、忖度(そんたく)、思い込みなどで何かしらトラブルになると感じています。今ではよい距離感を保ちながら女子会を楽しんでいます。(mikitree)
6、わが子は、よい頃に思春期、反抗期がありませんでした。素直な笑顔ある良い子。が、20代後半になってから、「あの頃私は、嫌だった」「助けてくれなかった」など言い出しました。あれから、5年。やっと反抗期?終わりました。反抗期、長かった!(くじら、50代)
7、今は30代後半の息子。中高生の頃は「あん?(何?)」「あん(はい)」「あああ(いいえ)」で家の中での会話をほぼ済ませていました。ただ、学校への送り迎えの車の中では、お気に入りの曲を入れたMDを流しながら、授業のこと、部活のこと、友だちのことなどを話してくれました。自宅が辺ぴな所にあり、バスに乗ろうとすると部活を早めに終えなければならないなど不便なことも多かったのですが、往復1時間弱のドライブは思春期の息子のことを知ることができる貴重な時間でした。面と向かい合わず、互いに前方を向いていたのがよかったかもしれません。この時間があったから、家の中でのほぼしゃべらない息子にも穏やかに接することができました。その息子は今、彼の子どもたちにあいさつや履物そろえなどを繰り返し教えるなど、子育て真っ最中です。(neko)
8、中学1年になった息子(第1子)はまさに思春期まっただ中。3年前に息子がやらかしたことに対して怒り狂い、それが原因で私に対して心を閉ざしてしまいました。父親(夫)にはゲームの時間を延ばしてなどワガママを言いたい放題言って悩ませています。しかし、母親に対しては何も訴えかけてはくれません。しかし私はめげません。朝、息子が出かける前に必ず「ギューするぞ」と言って抱きしめています。息子もイヤそうな、でも照れくさそうな複雑な顔をして、私の胸に来てくれます。いつか親元を離れてしまうわが子。また、いつものように登校したかと思えば、変わり果てた姿になって帰宅するなどの昨今よくある事件や事故。後悔がないように、また、ありきたりですが、「普通」に接するように心がけています。(神西湖のほとり)
9、今まさに思春期の中2男子を育てています。尽きない食欲でどんどん大きくなっていく体にまだまだ子どもの心。そのアンバランスのなかで一生懸命大人になろうとしていて、本当にいとおしい!! とはいえ、実際はうっかり言い過ぎると「クソババア」と一喝されることもあり、かわいいとばかりは言っておられません。腹も立つし、心配事も多い。だけど気をつけていることは、やはり言い過ぎないことでしょうか。心配や不安をあげればつきないけれど、今はいずれくる巣立ちの準備中と思ってこちらは手放しの練習中です。(ここのすけ、40代)
10、わが家は男の子3人でした。今はもう37歳、33歳、32歳それぞれ家庭を持ち子育て真っ最中です。長男が中2の時が一番大変。「携帯が欲しい。みんな持っている」。いざ持たせたら携帯持っている友だちは5人だけ…。部活で好きなサッカーは頑張っていました。学校から私の携帯に連絡があると「何をしましたか?」と出たものです。呼び出しがあると私だけでなく主人と2人で学校に行きました。私だけだと学校からの言い分が全て主人に伝わらないので、2人の子どもだからいつも夫婦で行くようにしてました。三者面談もわが家は四者面談。長男にもいつも両親は見てるよ。見守っていることを分からせたくて。一つ一つの出来事はもう忘れましたが何があっても家族で弟たちも一緒に話してきました。私が座われと言っても座らない、立ったままの長男…私より身長が高くなった長男を、いすの上に上がり怒っている私の姿を見て、まだ小学生だった弟2人は「僕たちはお兄ちゃんみたいにはならんけんね」と言ったのには涙が出そうでした。なのに私は「ごめんけどそのことをここに書いておいて」と紙を渡して名前を書かせたように思います。今になっては笑い話ですが、あの頃の私の必死さは弟たちには分かっていたようです。そんな長男も今は3人の親となり夫婦で子育て頑張っていて帰った時に紙おむつを替えている姿を見るとホッとします。長男が卒業式の日、クラスに帰り、高校生活に一言ずつ何か言う時間があり、他の子どもたちは友だちのこと、部活動のことを言ったのに、長男は後ろにいる私の姿を探して振り向いて「3年間おいしい弁当ありがとうございました」と言ったのです。その時に子育て間違ってなかったなぁと思った瞬間でした。長男のイケズはたくさんしてくれたけど、怒る度に「勉強も部活動も頑張っているよ。友だちとの時間も大切にさせて」と言ったのも忘れられません…。真正面から子どもたちと向き合い逃げない、その場で話し合うって大切だと思います。イケズだった友だちも親になり、町で会うと「おばちゃん久しぶり」と声をかけてくれます。考えたらわが家もいろいろありました! でも今ではとっても良い思い出です♪ そんなふうに言えて幸せ感じてます。(出雲のオリーブ)
11、高3息子と中2娘の母です。高3息子に私たち家族の接し方で良かったことを聞きました。家族の暴力がなかったことが良かったようです。逆に息子は、家で物をまき散らすことがありました。最近、息子になぜそれをしたかとか、した後で気持ちが良くなったかを聞きましたが、明確な答えは、返って来ません。きっと発散したかったのでしょう!? 良かったことを強いていえば、散らかった物の片付けをしながら整理整頓できたことかな!?(やっこ 40代)
■識者アドバイス 子の指摘や訴えは素直に受け止めよう
思春期を迎えてイライラしたり攻撃的になったりした子どもに接するヒントを臨床心理士の高橋弥千代さん(62)=松江市在住=に聞いた。
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思春期はおおむね小学5年生から高校3年生まで。ホルモンの変化で情緒不安定になり、衝動のコントロールが難しい。自立を望みながらそれがかなわないことも知っていて、ギャップにいらだっている。
親にとっての思春期は、子育ての決算期のようなもの。自分の育児が結果となって表れているようで、子を通して反省させられる、一つの試練だ。子離れが始まるさみしさもある。
親子でぶつかり、親の価値観を伝える機会だが、説き伏せて一致させようとしないことだ。伝えるのに徹する。子の指摘や訴えは素直に受け止めて、必要ならあり方を変える。
この頃は「第2の誕生」とも言われる。育児の原点に戻り、改めて衣食住のお世話に徹する。どんなに荒れていても、親の作ったご飯を食べて、洗濯してもらった服を着て、家の布団で眠っていれば、いずれ嵐は過ぎ去る。それくらいずぶとくなることも大切だ。
■次回テーマ 夏休み、親子でどう過ごす?
次回のテーマは「夏休み、親子でどう過ごす?」です。新型コロナウイルスに関わるさまざまな規制が緩和されてから初めての夏休みを迎えます。レジャー施設を訪れたり、離れて暮らす祖父母に孫の顔を見せたりと、いろいろ計画を立てていると思います。皆さんの楽しみ方をお寄せください。匿名オッケーですが、できるだけペンネームと年齢(年代)を記してください。
■担当記者から
長男(4)は生き物が大好き。テレビや図鑑で覚えたキリン、ゾウなどの動物はまだじかに見たことがありません。この夏は県外の動物園に連れて行き、動物の大きさや迫力を感じてほしいなと考えています。 (吉田真人)
=締め切りは8月13日=
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