ボールペンのみで細やかに描き込んだ絵画の作品展が、益田市あけぼの東町のギャラリー茶房「ちいさなぎゃらりーうつわ」で開かれている。白黒の線や点のみで地元の風景などを表現した30点が並び、来場者の目を引きつけている。入場無料。
作品は、益田市昭和町の石田敏明さん(81)が、昨年12月から描いたもの。長く郵便局に勤めていた石田さんは、57歳で退職後、趣味で絵を描き始めた。初心者ながら独学で続け、絵手紙や水彩、水墨画など、ほとんど毎日思いのままに描いてきた。昨年から道具の準備がいらず、とっつきやすいと、ボールペン画に挑戦。太さの違う3種類のペンを使い、過去に自分で撮影した写真などから題材を選び、描いた。
構図は頭の中で考え、下描きはしない。会場にはヤマブドウや松のほか、益田市内にある老舗の酒蔵、浮世絵など、線や点だけで陰影を付け表現した作品が並ぶ。石田さんは「うまい下手ではなく自己流でいい。こんな絵もあるんだと見てもらいたい」と話した。
展示会は31日まで、午前9時~午後5時。(藤本ちあき)