第二章 道を行け(二十五)

 親分は爺さんの訴えに取り合わず、「こはだ」と注文した。

「ほな、おれも。それから芝海老と貝柱、烏賊、穴子も頼んます」

 爺さんをからかいはするものの、江戸の屋台は何でも美味いことに寅蔵は大の満足...