岸田文雄首相は2021年秋の政権発足直後に看板政策として「新しい資本主義」を打ち出し、その実現に向けた会議を発足させた。市場原理主義の過剰な追求で生じた経済格差などの弊害に適切に対処する一方で、賃金上昇やスタートアップ(新興企業)の育成策を講じて、「成長と分配の好循環」の具現化を目指している。

 会議は23年6月で2期目を終了し、政府は「新しい資本主義実行計画」の改定版を閣議決...