人工ルビー合成の実験過程を英語で書いたポスターの横で、空手の形を披露する坂本來愛さん=松江市西津田9丁目、開星高校
人工ルビー合成の実験過程を英語で書いたポスターの横で、空手の形を披露する坂本來愛さん=松江市西津田9丁目、開星高校
坂本さんが実験で合成した人工ルビーの結晶=松江市西津田9丁目、開星高校
坂本さんが実験で合成した人工ルビーの結晶=松江市西津田9丁目、開星高校
人工ルビー合成の実験過程を英語で書いたポスターの横で、空手の形を披露する坂本來愛さん=松江市西津田9丁目、開星高校
坂本さんが実験で合成した人工ルビーの結晶=松江市西津田9丁目、開星高校

 開星高校3年の坂本來愛(らいあ)さん(17)が今夏の全国高校総合文化祭と全国高校総合体育大会の両方に出場する。中学時代から続ける人工ルビーの研究と、3歳の時から始めた空手競技とで、同校の教育方針でもある「文武合体」を実現。続ける努力と他者から学び取る姿勢が実った。

 人工ルビー研究は昨秋の島根県高総文祭で評価され、空手は6月の県総体で2位となり、全国切符を勝ち取った。

 祖母が鉱物や結晶を好きだった影響で石に興味を持ち中学1年の時、部活動の自然科学部で人工ルビーを合成する研究を始めた。

 人工ルビーは酸化クロムと酸化アルミニウムを電子レンジで熱して作る。当初は失敗ばかりで、100回試して1回できればいい方だったという。同時並行して空手も続けており、練習がない日は理科室にこもって実験に明け暮れた。原料の配分や加熱時間、容器などを変えて試行錯誤を繰り返し、故障させた電子レンジはこれまで8台。

 行き詰まると教員が助言してくれたといい「やりたいことを支えてくれる環境があったからこそ続けられた」と感謝する。中学3年時に確実に合成できる方法を発見し、高校進学後は現在まで、ルビーを大きくしたり硬度を強めたりと、さらに高度な研究を進める。

 昨夏に松江市であった国際地球科学教育会議のジュニアセッションではポスター制作、実験発表、質疑応答の全てを英語で行い、最高賞に次ぐ優秀賞を受賞。海外の研究者から刺激を受ける場ともなり「ストレートな質問で研究の盲点が見つかった」と振り返る。目的や手法など研究を見つめ直すきっかけになった。

 空手は3歳のときに始め小学4年で黒帯を取得。全国大会にも出場した。中学3年からは自分の練習より小学生らに指導する時間が増えたが今春、弟が出場した全国大会を見て「自分もやりたい」と思い、高校3年でカムバックした。学校に空手部がなかったため同好会を立ち上げ、1年生の後輩と開星中学に通う弟、妹とで稽古に励む。

 人工ルビーの研究と空手が共通するのは、努力を継続したことと他者から刺激を受け技術を磨いた点。選手としてはブランクが生じた時期もあったが指導は続け「誰かに教えることで『自分はどうか』と振り返ることができた」と話す。

 27日に北海道恵庭市である全国高校総体の空手の個人形に、29日に鹿児島市である全国高総文祭の自然科学部門に出場。「空手では自分が納得できる形を、研究発表では失敗の経験や自分が考えたことを発表したい」と意気込む。 (小引久実)