■短歌■ 寺井 淳選

ワイパーのあひだに初夏を刻みつつ離合し難き橋渡りけり     益 田 能美 紀子

  【評】益田で運転免許をとった人なら誰でも知っている人麿神社近くの橋。これも立派な歌枕である。さらに下句には人生の姿までもが現れてゆかしい。

サヨナラ負けのひいきチームに夫なにかひとこと出るかビール注ぎ待つ

                               松 江 森脇よし子

  【評】野球を見ながらのにわか解説者は全国に何万人といるだろう。「ビール注ぎ」とサービスしながら、その...