ヒマワリを見て命の大切さや防災への意識を高めてもらおうと「隠岐五箇 ぼたん園」(島根県隠岐の島町北方)が植えた阪神大震災(1995年1月)ゆかりのヒマワリが、見頃を迎えている。
ヒマワリは、震災で倒壊した建物の下敷きになり犠牲となった女児が見つかった場所で半年後に咲き、同級生の父親が種を集めて全国に送るようになった「はるかのひまわり絆プロジェクト」のもの。山陰両県でも有志が育てているが、隠岐諸島では初めてという。
園を管理する石橋里佳さん(48)がプロジェクトに賛同。ボタンシーズンの後に植えたいと、運営者から種を譲り受けた。
6月上旬に知夫村の友人2人と1千個の種を植えたものの、虫の食害に遭い、成長したのは100本ほど。それでも茎は高さ2メートルとなり、嶽山の裾野にある園を彩っている。
石橋さんは「来年は1千本に増やす。夏にぼたん園に人が来て、震災と命のことを考えてくれるようになればいい」と話している。
(鎌田剛)