▽短歌 寺井淳選

夜勤の子帰りて一気に頬張れる粽の笹の強く香れり        出 雲 岩本ひろこ

  【評】夜通し働いて帰った疲れを吹き飛ばすように、子が勢いよくたべる粽(ちまき)。味覚・ 嗅覚の表現が読者にも強く伝わり、確かな手触りになっている。

立ち位置を示す足形貼らるるままレジ待ち園児のやうに我ゐる   松 江 森脇よし子

  【評】密を避けるためのレジ列の足形。もうそんなに気にしなくてもと思いながらも 律儀にその上で待つ。行儀よさへの感心と苦笑いとが下句のたとえによく現れている。

一面に妖怪達の描かれ...