傘を差し、衆院選島根1区の立候補者の第一声を聞く有権者たち=27日午前、松江市内
傘を差し、衆院選島根1区の立候補者の第一声を聞く有権者たち=27日午前、松江市内

 36年ぶりとなる真冬の衆院選が公示された。松江市内で氷雨を避けながら候補者の第一声を聞いていると、ふと10年前に放送されたテレビドラマを思い出した。新垣結衣さんと星野源さんが主演した“逃げ恥”こと『逃げるは恥だが役に立つ』だ。

 「最優先は物価高対策」「2026年度予算案を年度内に成立」と訴えていた高市早苗首相(自民党総裁)。その主張を翻し、通常国会冒頭で衆院解散・総選挙に踏み切った背景には、野党から追及されてぼろが出そうな国会論戦から逃げ、内閣支持率が高いうちに選挙戦に臨んで自民党の議席を増やしたい、という思惑が透けて見える。首相にとっては「逃げるは恥だが…」か。

 “逃げ恥”は野党の動きにも当てはまる。漫画が原作のドラマは、派遣切りに遭った女性と家事が苦手な独身サラリーマンが「家と仕事(お金)が欲しい」「家事をしてほしい」という利害関係で結ばれ、家事代行サービスの雇用契約を経て契約結婚するという筋書き。

 昨秋まで26年にわたり自民と協力関係にあった公明党と、自公政権に対抗してきた立憲民主党が結成した新党「中道改革連合」。ともに党勢に陰りが見える中、政策の違いは棚に上げ、勢力拡大という利害関係で結ばれた“契約結婚”のように映る。

 とはいえ、政権選択の色合いが一気に濃くなった衆院選。社会現象になった人気ドラマに負けないくらい注目したい。(健)