集めたプルタブをまとめる野田政利さん(右)と美恵さん(2018年)=浜田市三隅町河内
集めたプルタブをまとめる野田政利さん(右)と美恵さん(2018年)=浜田市三隅町河内
田中敏勝理事長(左)に車椅子を渡す野田政利さん、美恵さん夫婦=浜田市西村町、養護老人ホーム松風園
田中敏勝理事長(左)に車椅子を渡す野田政利さん、美恵さん夫婦=浜田市西村町、養護老人ホーム松風園
集めたプルタブをまとめる野田政利さん(右)と美恵さん(2018年)=浜田市三隅町河内
田中敏勝理事長(左)に車椅子を渡す野田政利さん、美恵さん夫婦=浜田市西村町、養護老人ホーム松風園

 車椅子に交換できる缶飲料のプルタブやアルミ缶の回収活動をする浜田市三隅町河内の野田政利さん(77)と美恵さん(64)夫婦が4日、10台目となる車椅子を同市内の養護老人ホームに贈った。夫婦は「体が続く限り続けたい」と意気込む。 (陶山貴史)

 野田さん夫婦は、生まれつき重度の脳性まひがあった孫の故・石田樹希(じゅき)さんに使ってもらおうと、1999年に回収を始めた。プルタブなどは一般社団法人・環公害防止連絡協議会(奈良県)が、約800キロに対して車椅子1台と交換している。缶から離れないプルタブが一般的になったためアルミ缶などのアルミ素材も交換の対象にしている。

 夫婦2人でプルタブを集めるほか、活動を知った知人が集めたものを郵送してくれたり、回収箱を置いてくれたりと、協力してもらいながら数を集めている。

 障害の程度が重く、樹希さんは車椅子が使えなかったものの、当時入院していた西部島根医療福祉センター(江津市渡津町)に最初の1台を寄贈した。樹希さんが亡くなった後も、役立ててもらいたいと浜田市三隅町の公共施設や福祉施設などに贈ってきた。

 節目となる10台目は、同市西村町の養護老人ホーム松風園に贈り、野田さん夫婦が、同園を運営する社会福祉法人たいま山秀峰会の田中敏勝理事長(79)に手渡した。早速、車椅子に乗った高齢者に美恵さんが「乗り心地はどうですか」などと聞き、高齢者は笑顔を見せた。

 田中理事長は「外出や散歩で利用者が楽しい毎日になるように使いたい」と感謝した。政利さんは「皆さんで仲良く使ってもらいたい。一区切りついた気持ちもあるが、これからも頑張りたい」と決意を述べた。