ダム湖の主か?-。神戸川上流部にある島根県飯南町下来島の来島ダムで、体長1・1メートル、重さ2・9キロになる巨大ウナギが捕獲された。種の特定はこれからだが、在来種・ニホンウナギだった場合はかなりの大型。2021年11月に中海で、国内最大級となる1メートルのニホンウナギが捕れており、またしてもの大物ゲットに関係者が驚いている。
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ウナギは7日午後8時半ごろ、神戸川漁業協同組合組合員で赤来交通(飯南町野萱)社長の藤川佳成さん(61)が釣り上げた。最初に小さな当たりがあり特に気にせずリールを巻いていると突然、強烈な引きに変わったという。「ばかでかいコイか大ナマズか」と懸命に続け、上がった魚にライトを当てるとウナギだった。
藤川さんは40歳ごろから来島ダムでウナギを狙って釣りを続けてきた。「これだけの大物は初めて。釣り上げられたのが一番の喜び」と振り返る。
県立宍道湖自然館ゴビウス(出雲市園町)によると、ニホンウナギは平均的に体長50~60センチ。1メートルを超す個体は宍道湖で事例があるものの珍しいという。
21年に中海で捕れた大物をニホンウナギと確定させた、島根大学生物資源科学部の高原輝彦准教授(46)は「ニホンウナギだった場合、国内で報告がある中では、かなり大きい部類に入る」と述べた。今回のウナギを研究室に持ち帰り、DNA鑑定する。
高原准教授にウナギを手渡した藤川さんは「わが子を手放すような気持ちだ。研究で使ってもらい、地元の子どもたちが見られるところで展示してもらえるとうれしい」と話している。
(狩野樹理)