国土交通省は7日、自動車の安全対策を強化することで、2030年の交通事故死者数を対20年比で1200人減らすとした報告書をまとめた。達成に向け、衝突被害軽減ブレーキの夜間対応を強化するほか、歩行者の頭部や脚を保護する構造の拡大、ペダルの踏み間違いによる加速防止装置の普及を目指す。
削減目標は、重傷者も減らすため、事故に遭ってから30日以内に死亡する人で設定。20年の死者数は3416人だった。
歩行者の死亡事故の7割は夜間に発生している。衝突被害軽減ブレーキはカメラやレーダーで前方の歩行者などを検知する仕組みだが、街灯がない夜間は認識精度が低下するため、システムの安全基準を強化する。
事故のリスクが高い交差点で歩行者の存在を検知する技術も向上させる。歩行者をはねても衝撃を和らげる安全基準を厳しくし、ボンネットに加え、フロントガラスの構造を工夫することなどを検討する。