島村抱月の胸像を眺める参加者=浜田市金城町小国、島村抱月生誕地顕彰の杜公園
島村抱月の胸像を眺める参加者=浜田市金城町小国、島村抱月生誕地顕彰の杜公園

 【浜田】浜田市金城町出身の劇作家・島村抱月(1871~1918年)を知るウオーキング大会がこのほど、生誕地の小国地区であった。住民約40人が抱月の胸像がある公園や、家族が納めた絵馬が残る神社など5キロのコースを巡り、郷土の偉人をしのんだ。

 抱月は「芸術座」を主宰し近代演劇の普及に尽力した。日本初の歌謡曲とされる「カチューシャの唄」1番を作詞したことでも知られる。ウオーキング大会は町内六つのまちづくりセンターが連携して毎年開く。

 参加者は秋晴れの中、3時間かけて6カ所を散策。顕彰の杜(もり)公園では子どもたちが抱月の胸像の表情をじっくり眺め、カチューシャの唄のメロディーが流れるモニュメントに耳を澄ませた。

 最中山神社では宮司が抱月の父、半三郎が奉納した平安末期の「宇治川の合戦」を描いた絵馬を紹介。たたら製鉄の仕事が難航し、困窮生活が良くなるよう祈りを込めて納めたのではないかと文献を基に説明した。

 雲城小学校4年の大屋菜々花さん(10)は「抱月や家族のことも勉強になった。地域の歴史をもっと知りたい」と話した。 (宮廻裕樹)