体調不良が続いていた細田博之衆院議長(79)=島根1区=が任期途中で議長職を辞任する意向を固めた。関係者が29日、明らかにした。7日に体調不良を訴え、病院で検査。脳血管に関係する予防的な治療のため一時入院していた。与党は後任人事を急ぐ。

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 在任は約1年11カ月。任期途中に衆院議長が辞任するのは、2015年に体調不良で辞めた町村信孝氏(自民党)以来となる。

 自民党出身の細田氏は21年11月、島根県選出の国会議員としては31年ぶりに衆院議長に就任。任期は議員任期に準じ、衆院解散がなければ25年10月までだった。

 体調を巡っては、7月21日に東京都内の自宅で熱中症の症状を訴え、病院へ搬送された。8月は全国戦没者追悼式などの公務を欠席した。

 今月7日には体調の異常を訴え、脳血管に関する予防治療を受けるため東京都内の病院に入院。8日の先進7カ国(G7)下院議長会議を欠席した。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について公開の場での説明を拒み続け、野党から批判を浴びた。自身のセクハラ疑惑も報道された。

 細田氏は、旧通産省(現経済産業省)勤務や父の故細田吉蔵元衆院議員の秘書を経て、1990年衆院選で初当選し、11回連続当選。官房長官や自民党幹事長、党清和政策研究会(現安倍派)会長などを務めた。