大衆とはいったい何か―。ジャーナリストの魚住昭さんは、そんな問いを抱きながら新著「出版と権力」(講談社)を書いた。「戦後民主主義、そして人々の間に暗黙のうちにあった良識が、今はほぼ失われてしまった。深い挫折感があります」。喪失の理由を求め、出版文化の近現代史に分け...