第四章 大冴え(十)  そうや、おれも。  寅蔵は前のめりになって長屋に戻り、荷の山をかき分けて七福神を探し出し、そのうちの二つを取り出して上座に置いた。  鯛が描かれた色絵の鍋(なべ...