第四章 大冴え(十四)  枯れ草がそよぐ土塀沿いに親分は進み、大きな椎(しい)の木がある角を折れた。道には団(どん)栗(ぐり)が一面に落ちていて、振り返ると粒々が土の轍(わだち)にめり込ん...