1991年のソ連消滅後も米ロ主導で国際政治のルールを決める「大国の習慣」から抜けきれず、ロシア以外の旧ソ連諸国への対応が後手に回った米国のブッシュ(父)政権。前回に続きウクライナ出身の歴史家マリアナ・ブジェリンの言葉から、眼前の戦争の底流に潜む歴史の教訓を紡ぐ。

 ▼ソ連の残した空間

 「ロシアが自分たちの求める対等なパートナーにならないだろう、と思う人がウクライナにいた。彼らはロシアを優遇するのは不公平だとし、ソ連の継承国と...