鈴木浩大使(右から3人目)を訪問した経済視察団=23日夜、ニューデリーの在インド日本大使館
鈴木浩大使(右から3人目)を訪問した経済視察団=23日夜、ニューデリーの在インド日本大使館

 【ニューデリー=政経部・今井菜月】山陰両県の企業経営者らでつくる山陰インド協会(会長・松尾倫男山陰中央新報社社長)と松江市が合同で派遣した「インド経済視察団」の18人が23日、ニューデリーの在インド日本大使館を訪問した。一行は地方間交流の可能性について、鈴木浩大使らと意見交換した。

 視察団の代表を務める松尾会長らと面談した鈴木大使は「インドが国際社会の存在感を飛躍的に高めていくことは確実だ。非常にいいタイミングでお越しいただいた」と歓迎した。松尾会長は「インドとの経済、人的交流の実を上げていきたい」と強調した。

 鈴木大使は、インド人の多くが今年9月にニューデリーであったG20(20カ国・地域首脳会議)の成功に誇りを感じ、東京五輪(1964年)の頃の日本のような活気に満ちあふれた状況にあると説明した。

 人口減少が加速する中、優秀なインド人材を山陰に呼び込み、定着してもらうための方策を探る視察団に対し、鈴木大使は「(日本で働くインド人に向けた)教育のインフラ整備は政府でもまだ追い付いていない」とし、「県境を越えて官民連携でインドとの関係構築に取り組む地域は山陰だけだ。山陰の皆さんが主導できるなら、ぜひ国に先行して実現してほしい」と望んだ。